とろけるような、キスをして。
「……せんせー」
激しく脈打つ鼓動に目を閉じて、胸の辺りを強く掴む。
「……私、先生は付き合ってもいない人とソウイウコトするような人だとは思ってないよ」
そして、私は寂しさを埋めるためだけに都合の良い女になるつもりもない。そんなの、若気の至りだけで十分。
もう、余計な寂しさなんて感じたくないから。
先生の気持ちがわからなくて、傷付きたくなくて。予防線を張った。
「……うん。俺も、自分の欲に負けてみゃーこを傷付けたくないし、それでみゃーこの信頼を失いたくない。
……でもさ、俺思うんだよね」
先生の声のトーンが変わった気がして、また心臓がどきりと跳ねる。
「俺、今のままじゃ、みゃーこにとってただの教師止まりなんじゃないかなって。それじゃ意味無いんだよ。教師は聖人君子なんかじゃないし、俺はただの一人の男だから。
教師だからって、自分の好きな女の前でまで"先生"でいる必要って、ないんじゃないかなって」
……今、なんて言った?
耳を疑う言葉に、無理矢理顔を上げる。
先生も、私の後頭部から手を離した。
私を見下ろす目は、甘くて滾るように熱い。
なのに、そこからは"愛おしさ"が溢れていた。
「またみゃーこを失って、後悔したくない。だから、決めたんだよ。自分の気持ちに正直になろうって。繋ぎ止めておかないと、またみゃーこが手の届かないところに行きそうで怖いから」
瞬きを忘れてしまうくらい、ただひたすらに先生を見つめた。