茨ちゃんは勘違い
...。

......。

.........。

「ところで、昨日はどうだったの?」

テストも終わり、帰宅中。

途中で寄ったコンビニでバリバリ君あずき大福味を三人で買うと、茨、百合絵、桜の三人は公園に立ち寄り、桜がガールズトークを切り出した。

百合絵は私が別に興味も無い事を、何故にわざわざこの子は始めようとするのかと、眉間にしわを寄せた。

「昨日?昨日って昨日って昨日の昨日?」

と、質問された意味を分かっているのに、茨がわざと回りくどい言い方をする。

「あー...答えにくい内容だったら、別にいいよー」
「んー答えにくいわけじゃないんだけど、茨恥ずかし困っちゃってるってゆ〜か〜」

本当に聞きたくもないので答えて欲しくないなーという意味合いで言った百合絵に、茨はモジモジとわざとらしく身体を揺すった。

「でもそんなに聞きたいなら言っても構わないってゆ〜か〜」
「どうなったの?どうだったの?」

茨が切り出そうとして、身体を乗り出してきたのは桜、のみ。

百合絵は明後日の方向を遠い目をして眺めていた。

「あのね、彼ったらね...」

いつの間にか、木更津を「彼」扱いしている事に怪訝な表情を浮かべながら、桜は興味深々に、百合絵は話半分程度に耳を傾けた。
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