茨ちゃんは勘違い
それはまるで実家に帰ってきたかのように
桐海サファリパークは、地元民のみならず、多方面から客が訪れる、国内第三位の集客数を誇る大型動物公園である。

都内の有名動物園のようにパンダこそいないが、普段の生活ではお目にかかれないような希少な動物から誰でも知っている有名な動物まで盛り沢山だ。

基本的には家族連れや、旅行パックで訪れるおじさん、おばさんが多いが、馬鹿にする事なかれ、地元民にとってはデートスポットとなっている。

お金の無い学生は、都内へ足を運ぶのも億劫だし、地元の遊園地はやはり有名どころと比べるとみすぼらしい。

動物園とは言っても、それなりに綺麗だし、他のテーマパークに比べたらよっぽど見所もあるのだ。

そんな、地元民の定番であり鉄板でもあるデートスポットで、木更津は一人、入口付近で待ち惚けをくらっていた。

約束の時間からゆうに一時間は過ぎている。

さっきから何回溜息を吐いたかも分からない。

そうしている間にも、次々と自分以外の客やらカップルやらが、横を通り過ぎて行く。
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