君にとってのハッピーエンド、僕にとってのバッドエンド
リビングのドアが閉まってすぐ、僕はリビング中を歩いて片っ端から引き出しなどを開けていく。何故かって?紫水圭の弱点を知るため。

大人気俳優だかなんだか知らないけど、若菜のことを好きでいるだけであの態度はムカつく。僕以外の男だったら、きっとすでにあの華やかな顔面に拳が叩き込まれていただろう。

「あの男のゲスいところを引っ張り出して、若菜に教えてやらないと!」

実は他にも恋人がいるとか、実はキャバクラや風俗に通っているとか、そんな情報があれば若菜の気持ちは冷めるはずだ。そして、その時に僕に振り向かせることができたらーーー。

そんな思いを膨らませながら、引き出しを漁っていく。メモ帳や高そうなアクセサリーなどは見つかったけど、紫水圭の弱点っぽいものは見つからない。

「チッ!」

こっちばかり嫌な思いをして、イライラして舌打ちが出てしまう。その時、引き出しの奥に突っ込んであった僕の手が何かを掴んだ。

「ん?何だこれ?鍵?」
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