ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
 ところが、ルディにしてみたら、フェアは夜勤の時に現れる、人懐こい美しい猫の少女である。名前以外はよく知らないし、本能的に悪い猫ではないとわかっているが、精神的な距離はそれほど近くない。

 そう、手に手を取って踊り出すほど親しくはないのだ。

「ほら、ルディさん」

 けれど。
 真面目で厳格な王都警備隊長は、自然にフェアの手を取ってしまった。
 そして、彼女の青くきらめく不思議な瞳に吸い込まれるようになり、足は自然とステップを踏みだしている。

 ルディはこの国の第一王子なのだから、幼い頃から王族としての教育を受けていて、ダンスももちろん、正式なワルツからお祭りの気軽なものまで踊ることができる。

「わあ、ルディも上手!」

 聴こえてくる曲に合わせて、人気のない路地でフェアとルディは手を取り合って楽しく踊った。妖精ならではの軽やかさでフェアがステップを踏み、ルディが良いタイミングで彼女をくるりと回せば、ワンピースの裾がひるがえる。観客がいないのが惜しいくらいの、素晴らしいダンスであった。
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