ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
 ヴォラットが、観察するようにエリナを見た瞬間、彼女の中でファミレスバイトで培った接客魂が目覚めた。

「ヴォラットさん、お仕事お疲れさまです!」

 背筋をぴっと伸ばしたフェアは、満面のスマイルと共に明るい声で声をかけた。

「あ、ああ」

 ヴォラットは、突然謎の美少女にねぎらわれて一瞬ひるんだ。

「ルディさん、お仕事の足をお止めしてしまってすみませんでした。もう遅いし、ちょっと眠くなってきたので、わたしたちはこれで帰りますね。ありがとうございました、お仕事がんばってください!」

 ウェイトレスの口調ではきはきと喋るフェアに、ルディは押され気味になった。

「う、うむ、そうだな。帰ってゆっくり休むといい。花祭りはまだまだ続くから、屋台を回る楽しみは明日にとっておくんだな」

「はい、そうしますね。明日は食べまくります」

 エリナはルディににっこり笑い、狼隊長の口元がほころんだ。

「待ってくれ、君は……」

「ヴォラットさんも、お仕事がんばってくださいね!」

「りょ、了解しました!」

 きびきびとねぎらわれた黒豹は、思わずフェアに向かって敬礼してしまい「……あれ?」と首を傾げた。

 フェアはクー・シーを抱き上げるとふたりに向かって「それでは、お先に失礼します!」とぺこりとお辞儀をし、そのまま建物の陰に走り去った。

< 171 / 235 >

この作品をシェア

pagetop