ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
「……ルディ、今の子は……おい、なにをしているんだ?」

 狼隊長が屋根の上に向かって軽く手をあげていたので、ヴォラットは怪訝な表情で言った。

「なにをって……今ふたりが屋根の上で手を振っていただろうが」

「なに?」

 黒豹は目を凝らしたが、なにも見えない。

「まったく身軽なものだな。あんなに素早く屋根の上を走れるなんて、たいした猫だ」

 ルディは、金色の光をちらちらとまとわせながら屋根を走るふたりを笑顔で見ていた。ルディの言葉を聞いて、ヴォラットも鋭い視線で屋根を見るが、やはりなにも見えない。

 当然である。今ふたりは、たっぷりの妖精の粉を振り撒きながら去っていったのだから。

「ルディには見えているのか……?」

 首を傾げるヴォラットに、ルディは「黒豹の方が夜目が効くだろうに、どうしたんだ?」と不思議そうな顔で言う。
 ヴォラットはなにかを言いかけたが、それは飲み込んで「そうだな……ゆらゆらと揺れる祭りの灯りをずっと見ていたから、目が疲れていたのかもしれない」とごまかした。

「で、今のはルディの彼女なのか?」

「そんなわけないだろう」

 ポーカーフェイスの狼隊長が答える。

「よく夜に出歩いているが、口調や振る舞いに隠しきれない品がある。よいところのお嬢さんのようだ」

「……ふむ、そうか。そうだよな」

 ヴォラットは妖精獣の番でなければ恋愛はしないんだもんな、と言う言葉を飲み込んだ。
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