ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
「初めての温泉なので、とても楽しみです」

 エリナが無邪気に言うと、怖い笑顔の夫をそっと制して、伯爵夫人がエリナに微笑んだ。

「遠路はるばる、ようこそいらっしゃいました。息子より手紙をもらって、エリナさんにお会いするのを楽しみにしておりましたのよ。わたくしはアルデルンの母の、鹿のミミーリアと申します。どうぞゆっくりなさってくださいね」

「はい、ありがとうございます」

「そうですわね、貴族専用の浴場に行かれるのでも良いし……世話係がついていますので、ひとりでのんびりとお湯に浸かって疲れを取るのには、貴族用がよろしいわ。うちの息子のアルデルンは、一般用の温泉施設が広くて楽しいと言って、そちらばかり寄りますわね。両方覗いてみてもよいし、お好きに楽しんでくださいね」

「はい、ありがとうございます」

 子猫は嬉しそうに耳をぴこぴこさせた。
 ミミーリア伯爵夫人は(ちょ、ちょっと抱っこしたらダメかしら? ちょっとくらいなら……いいえ、落ち着くのよミミーリア)と、両手をムズムズさせながら、抱っこ欲と戦った。どうやら伯爵夫人はセラより自制心が強いようである。
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