ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
「そなたは失礼だぞ、セライラスタングリーズル! このわたしがビビっただと?」

「『うおっ!』とか言ってたし」

「あれはかけ声だ」

「後ろに倒れそうになってるし」

「胸を張っただけだ」

 その様子を見ていたふたりの娘猫は「……お笑いの人たちですか?」「そうみたいだね」と顔を見合わせた。

「あんたたち、悪いけど、漫才をするならよそで頼むよ。あたしたちはこれから買い物に出るところなんだ」

 ミメットがそっと扉を閉じようとすると、少年が両手の指を引っかけて「待て待て待て、我らは漫才をしにきたのではない!」と再び扉を開けた。

「あんたたちは流しの漫才師じゃないのかい?」

「違うんですか? 今のはちょっと面白かったですよね、ボケとツッコミのタイミングがなかなかいいし」

「うん、なにか光る才能を感じたよ」

「時間があれば、じっくり見たかったにゃん」

「これから仕事があるから残念だね、休みの日に来て欲しかったね」

 ふたりの可愛い猫が笑ったので、少年は「なんか、褒められた!」と頬を赤くした。

「だから殿下、そこで喜んでどうするんですか。我々は、漫才を披露するためにはるばるこの国にやってきたわけじゃないんですよ」

「お、おう、そうだったな」

 彼は咳払いをすると「突然だが、この青弓亭の料理人に用があってこちらに参った。呼んでくるがいい」と命令した。

 偉そうな態度に眉をひそめて、ミメットは「は? 呼んでくるがいい、だって? あんたは誰なんだい?」と少年に尋ね、迫力のある視線で上から下まで彼を見た。
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