このまま惚けて、それから
《え。花、どっか行ったんすか》
《気づいたら気配が消えてた》
《俺と伊藤さんも一緒に探します》
《頼んだわ。こっちも未羽と探すから、見つけたら連絡よろしく》
《了解っす!》
《星名、おまえ伊藤さんとはぐれんなよ。はぐれたら一緒に帰ってる意味がねえ》
《任せてください!》
雲井くんの声がデカすぎるので、スピーカーにしているわけじゃないのに二人の会話は筒抜けだった。
機械越しに、「あの可愛い女の子、居なくなっちゃったの?」と不安げな声で雲井くんに話しかけている声がかすかに聞こえた。
…ていうか、青も雲井くんもちゃんと真面目に会話できるんじゃん。いつもそうであってほしいんだけど。
「多分大丈夫だよ未羽」
「…でも、あの子の連絡先知らないしどこにいるかも分からないし、そもそも本当に誰かに攫われたのかすら分からないし…」
「でもあいつストーカーだし」
「いや…」
花ちゃんは良い子だし、可愛いし、心配だ。
ちゃんと見つけることが出来たら連絡先を聞いておかなくちゃ。