このまま惚けて、それから
*
「未羽、お願いがある」
「いやだ」
「まだなんも言ってないよ」
「言ってなくてもわかんの」
「じゃあ言ってみて」
「どうせ これ着てだのあれしてだのどれ試していいだの、そんな感じのあれでしょ」
「ぶーっ。残念でしたあ」
「なんだおまえムカつくな」
「強気な未羽かわいいドキがムネムネ」
「それもう わりと古いよ」
青の部屋。私の隠し撮り写真ばかりだった部屋は、カメラ目線の写真が増えた。
というのも、最近青は写ルンですを持ち歩くことを覚えたらしい。一日平均、少なくて2つ使い切る。
おい金持ち、金の使い方を考えろ。
「……はあ。で、なに?お願いって」
「未羽、最近 俺に甘いよね」
「勘違いしないで。やるとは言ってないし、内容次第であんたの急所死ぬからね」
「それは危険だ、多分勃つ」
「ほんとに日に日にキショくなってるなぁ……」