このまま惚けて、それから
ベッタリくっついて離れない青の身体をぐっとおしのけるも、突然の如く青は離れてくれない。
腰に巻きついたまま私を見上げるものだから、鼻毛出てたらどうしようと、そんなことをぼんやりと思う。
「未羽」
「なに……」
「俺、未羽との写真が撮りたい」
青のお願いごと。
意外すぎて「へ?」と間抜けな声が出た。
「未羽の写真は沢山あっても一緒に写ってる写真がないから」
「たしかに…」
「万が一人に見られたら未羽が困るかなと思って未羽の眉毛を拡大してるやつロック画面にしてるんだけど」
「なんでそんなピンポイントで絶妙に見られたくないところアップにすんの?やめてくれる?」
「でも未羽とのツーショットが撮れた暁には、そのツーショットの未羽の眉毛を拡大する」
「それツーショの意味ある?」
「ある。気持ち的に」
あるのか。青がいいならいいけど、私ちょっと複雑だ。気持ち的に。