託宣が下りました。
(……いいえ。修道院でさえ、わたくしにはちゃんと味方がいた)
シェーラ。それになんだかんだでレイリアさん。アンナ様ももちろん――。
あるいは表だっては分からなかったけれど、陰では同情してくれている人だっていたかもしれないのです。
(ああ、なんて恵まれているのだろう)
夜。わたくしは自分の部屋の窓から空を見上げていました。
冬に踏み込もうというこの時期。寒いですが、星が美しくまたたくいい夜です。
こんな日は、星祭りの夜を思い出します。たくさんの観衆に囲まれて星の声を聞いたあの夜……
気がつけばあの星祭りからそろそろ三ヶ月。次の星祭りがやってくる時期です。今回は誰が星の巫女となるのでしょうか。
わたくしは両手を組み合わせました。そして、そっと目を閉じました。
瞼の裏に星の光が焼きついて離れません。星は何とはかなげで、なんと優しい光を放つのでしょう。
――託宣は本物でした。今でもそう思います。
(それならわたくしはどうすれば――?)
以前ほど騎士に嫌悪感がない。それは星の導きなのでしょうか?
託宣の通りになるように、わたくしたちは促されているのでしょうか?
だとしたら……この騎士への気持ちは、どこまでがわたくし自身の気持ちなのでしょう?
(教えてください、星の神よ)
わたくしは祈りました。
心をひとつにまとめることはできませんでした。託宣のこと、修道院のこと、王都のこと、王族のこと、町のこと、シェーラのことラケシスのこと父や母のことカイ様のことソラさんのこと……騎士のこと。
すべてのことが大切で、どれから考えたらいいのか分からないのです。
(祈ることさえ、まともにできない)
修道院にいたときは、毎晩当たり前にできていたことなのに――わたくしは小さくため息をつきました。
星の声は、聞こえませんでした。