託宣が下りました。

 その日から、ヨーハン様による個人授業は続きました。

 間延びした口調が語る内容はいつでもとても興味深いもので、わたくしは熱心に聞き入りました。魔物のことだというのに、楽しい授業となっていました。授業外もヨーハン様に薦められた本を読み、充実した時間を過ごしました。

 今思えばわたくしは熱中することで、他のすべてを忘れたかったのかもしれません。


 そんなわたくしが現実に引き戻されたのは一週間後。
 ずっと我が家に滞在しているソラさんからの、ひとつの報告がきっかけでした。


「カイが報せてきたぞ。アレス一行が洞窟に入るそうだ」


 次の星祭りまでもう間近――。

 季節が、完全に変わろうとしています。

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