託宣が下りました。
(……それでどうして、『男性』が苦手になったのかしら……)
考えるにつけ、情けない思いが湧き上がります。
恐い、と思ってしまった対象が大好きな妹だっただけに、それを認めるわけにはいかなかったのでしょうか。
妹とはそれまで通り仲良くし続ける代わりに、わたくしは『もっと力を持つ存在』を勝手に恐がり始めたようです。対象の転化とでも言うのでしょうか?
何にしても、相当ひねくれているような。我ながら呆れ果ててしまいます。
ただ――。
原因が分かったことが、わたくしの中でひとつの鍵を外してくれました。
ラケシスは今や立派な討伐者ですし、彼女の力はわたくしにとっては誇り。
そして周囲の男性たちはいい方々ばかりです。例えいざとなれば力で敵わないとしても、そもそも暴力を振るおうという人がほとんどおりません。
昨夜のヨーハン様にしたって、わたくしを害しようとしたわけではない。
そんな、当たり前のこと。
まるで視界が開けたような思いです。わたくしはこれからもちゃんと、彼らと付き合っていける――。
……ひとりの例外を除いて。
(騎士)
時に力でもってわたくしを困らせる人。彼に対してだけがすっきりしません。
(……彼と、もっと向き合わないと)
そしてこの心の中にわだかまるものすべての正体を知りたい。わたくしは顔を上げました。