託宣が下りました。
わたくしは少し笑いました
「でも、やっぱりすごいじゃないシェーラ。御声拝受で魔王の降臨なんて大きなお声を聴くことができたなんて――。きっと、本当の意味で選ばれたのよ」
「……そうかしら」
「そうよ。毎日真面目に修行してきたんだもの。素晴らしいことよ」
するとシェーラは急に切なそうな目をしてわたくしを見ました。
「……その意味でなら、あなたのほうがすごいはずよアルテナ。私があなたに、修道女として行いで勝てるわけがないもの」
「シェーラ――」
「だから私はね、余計に腹が立つのよ。アルテナを遠回しに放逐した王宮の態度に。こんな模範的な星の巫女を追い出してどうしたいってのよ本当に!」
憤然と肩を怒らせるシェーラ。頬が紅潮して、彼女の本気の怒りを表しています。
「シェーラ……」
わたくしはうつむきました。
そんなわたくしを心配したのか、シェーラが怪訝そうに声を曇らせました。
「なに、どうしたのアルテナ……?」
「……わたくしは、もう修道女の資格はないかもしれないの」
「え?」
シェーラが息を呑む気配が伝わってきます。その間たっぷり五秒。
そして、
「ま、まさかアルテナ……ヴァイス様と結ばれちゃったの!?」
ごふう。
何もないのに腹を痛打されたような痛みが走りました。わたくしは木のテーブルに思い切り突っ伏しました。
「え、なに? 違うの?」
「……お嬢様、冷静にアルテナ様をご覧になってください。どう考えても処女です」
「そんなの見て分かるものなの!? レイリアあんたどんな人生たどってきたのよ!」
「お嬢様が初心すぎるだけです。ご覧くださいあのアルテナ様の真っ赤になった顔を――」
「レーイーリーアーさぁあああん」
地の底を這うような声が出ました。我ながら迫力です。
うわあアルテナ、とシェーラが怖気だったように身を震わせました。
「わ、分かったわアルテナ、違うのね? よく分かったから」
「お願いだから最初から分かってシェーラ……」
「だって修道女の資格がないなんて言うんだもの。修道女の資格をなくすときって言ったら……ねえ?」
「ねえ、じゃありません、ねえ、じゃ!」