託宣が下りました。

「わたくしは……」

 目を伏せ、彼の視線から逃げました。手に握りしめていたのは鳥の人形。なぜか手から離れない人形。
 愛情をはっきりと自覚している、ここまで来ても、わたくしには勇気がない。

 ――夢を捨てる勇気が。

「アルテナ」

 耳元で彼の呼ぶ声がします。
 名前を呼ばれると、どうしようもなく切なくなる。彼は特別なときにしか名前を呼ばないから。

「騎士……?」

 おそるおそる顔を上げると、彼の両腕がおもむろにわたくしを抱きしめました。

 背の高い彼の体にすっぽりと包まれると、彼の鼓動が体ごしに伝わってきました。こんなに力強い音を、わたくしは他に知りません。

 あっという間に上がる体温、落ち着かなくなる体。
 耳朶にそっと彼の唇が触れました。


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