託宣が下りました。
雨よけのマントは宿の女将さんが貸してくださいました。返すのは、マリアンヌさんが引き受けてくださるそうです。
「まったくもう。こんなところで何をほっつき歩いているのあなたは」
宿のドアを閉めるなり、マリアンヌさんは腰に手を当てました。「どうして化粧を落としたの。何の意味もないじゃないの」
「ごめんなさい……」
わたくしは化粧を騎士の家で落としたこと、騎士の家に来客があるので出てきたことを話しました。
マリアンヌさんはますます柳眉をつり上げました。
「来客? 来客ごときで雨の中にあなたを叩き出したの、あの男は」
「ち、違うんです。その、来客は王女様の関係者だそうで」
「王女……エリシャヴェーラ様の? ああ」
合点がいったのか、ため息をついた彼女は「でもねえ」と渋い顔。
「だからって、何もこんな天気のときにあなたをこんな目に遭わせる必要ないじゃない」