託宣が下りました。
「なぜ言うことを聞かない。これ以上お兄ちゃんにつきまとわないで!」
「お兄ちゃん……?」
驚きました。では、この女の子は――。
『妹は人形遣いなんだ』
騎士ヴァイスはたしかにそう言っていました。さっきからそれが引っかかっていたのです。でも……
目の前の女の子があまりに若かったので、すぐに『妹』とは思い至らなかったのです。
たぶん十五歳くらいは離れているのでしょうか? 少し暴走気味なところなどは、騎士の妹らしいと言えるでしょうか。
それにしても――人形遣いということは。
「このねずみはあなたが動かしているのね。どうか、やめてくれませんか」
「安心して。このねずみの爪に毒はない」
「いえ、そういう問題ではなくて……」
女の子の目つきはわたくしをにらみつけたまま。
困りました、一体どうしたら満足してくれるのでしょうか?
引っかかれた足がちりちりと痛みます。上手に話さなくては、この痛みが増えてしまいます。
(反省、すればいい……?)
なぜわたくしが、と思った直後、名案が天啓のように閃きました。
わたくしは顔を輝かせ、言いました。
「分かりました、もう今後一切お兄様とは関わりません! 心から反省してそれを守ろうと思うので、どうかお兄様にもそうお伝えください」
「嘘くさい」
びし、と妹さんはわたくしに指をつきつけました。「星の巫女が嘘をつくとは何事か」
「そんな。嘘なんかじゃ」
「そんなにお兄ちゃんが好きなの」
「いえ全くこれっぽっちも」
「嘘をつくんじゃない」
ええええ……
この子は結局何を求めているのでしょう? お兄さんを好きと言わせたいのか、お兄さんから引き離したいのか。
妹さんはようやくドア陰から姿を現しました。
胸に、人形のようなものを抱いています。人型の人形でしょうか? ねずみの精巧さとは打って変わって、まるで藁束をたばねて四肢と胴体を作っただけのような怪しい人形です。
それをしっかり抱きしめたまま、わたくしのほうまで近づいてきます。どことなく足下がおぼつかないのですが、大丈夫なのでしょうか。
「あくまでしらをきるつもりなのね。こうなればもう一つ刑を追加します」
「ちょ、ちょっと待って。わたくしの話も聞いて」
「お兄ちゃん……?」
驚きました。では、この女の子は――。
『妹は人形遣いなんだ』
騎士ヴァイスはたしかにそう言っていました。さっきからそれが引っかかっていたのです。でも……
目の前の女の子があまりに若かったので、すぐに『妹』とは思い至らなかったのです。
たぶん十五歳くらいは離れているのでしょうか? 少し暴走気味なところなどは、騎士の妹らしいと言えるでしょうか。
それにしても――人形遣いということは。
「このねずみはあなたが動かしているのね。どうか、やめてくれませんか」
「安心して。このねずみの爪に毒はない」
「いえ、そういう問題ではなくて……」
女の子の目つきはわたくしをにらみつけたまま。
困りました、一体どうしたら満足してくれるのでしょうか?
引っかかれた足がちりちりと痛みます。上手に話さなくては、この痛みが増えてしまいます。
(反省、すればいい……?)
なぜわたくしが、と思った直後、名案が天啓のように閃きました。
わたくしは顔を輝かせ、言いました。
「分かりました、もう今後一切お兄様とは関わりません! 心から反省してそれを守ろうと思うので、どうかお兄様にもそうお伝えください」
「嘘くさい」
びし、と妹さんはわたくしに指をつきつけました。「星の巫女が嘘をつくとは何事か」
「そんな。嘘なんかじゃ」
「そんなにお兄ちゃんが好きなの」
「いえ全くこれっぽっちも」
「嘘をつくんじゃない」
ええええ……
この子は結局何を求めているのでしょう? お兄さんを好きと言わせたいのか、お兄さんから引き離したいのか。
妹さんはようやくドア陰から姿を現しました。
胸に、人形のようなものを抱いています。人型の人形でしょうか? ねずみの精巧さとは打って変わって、まるで藁束をたばねて四肢と胴体を作っただけのような怪しい人形です。
それをしっかり抱きしめたまま、わたくしのほうまで近づいてきます。どことなく足下がおぼつかないのですが、大丈夫なのでしょうか。
「あくまでしらをきるつもりなのね。こうなればもう一つ刑を追加します」
「ちょ、ちょっと待って。わたくしの話も聞いて」