託宣が下りました。
(ああ隣国の勉強より前に魔術具の勉強をしておけばよかった!)

 わたくしは必死に藁人形を攻撃しました。効き目がない、不毛な時間が一体どれだけあったのか……

「巫女、引いてくれ」

「……!」

 わたくしははっとして数歩退きました。
 巨大藁人形の背後、一条のきらめきが奔ります――そして、

 ゴバアッ!

 形容しがたい音とともに、藁人形は縦に真っ二つに割れました。

「きゃああああっ!」

 掴む手がなくなり、ソラさんの体が空中に放り出されます。いけない、わたくしも届かない――! それでも思い切り手を伸ばしたわたくしでしたが、その必要もなく。

 藁人形が煙となって消滅します。そして、

「まったく」

 気がつけばソラさんの体は、抜き身の剣を片手に持った騎士ヴァイスに抱き留められていました。

 よ、良かった……。

 わたくしはソラさんの無事をたしかめ、へなへなとその場に崩れ落ちました。
< 28 / 485 >

この作品をシェア

pagetop