託宣が下りました。
「……私の占いは外れない。もっと肩を楽にして大切なものと向き合うことね……。あなたは星の巫女、占いの結果を受け止めることができるはず」
「それでは――星の託宣と占いは、やはり同じものなのですか?」
身を乗り出して問うと、「そういう意味じゃない」とクラリス様はおごそかに言いました。
「……託宣も占いも、素直に聞く者だけが恩恵にあずかる。世を斜めに見る、ひねくれた者には相応しい結果が待っているということ」
「―――」
「ついでにカイ、あなたの失恋も映っているけれど、どうする」
「ついでに言うこと!?」
カイ様は泣きそうな声を上げます。と言うことはカイ様は恋をしているということでしょうか。それも失恋だなんて、相手はどんな方なのでしょう。
カイ様は咳払いをしました。前髪の隙間からちらちらわたくしを見ています。わたくしのような他人の前で暴かれた彼の気持ちを思って、わたくしは深く同情しました。
「ぼ、僕のことはいいんだよ。っていうか、失恋したんだったら……それは、その人が別の人と幸せになってるってことだよ。だからいいんだ」
さすがカイ様、本当にお優しい。感動が胸に広がります――返す返すも相手の女性のことが気になる。
クラリス様はちらりとカイ様を見やり、
「……けなげなお馬鹿さんとはカイのような人のことを言う……」
「僕をなんだと思ってるの!?」