託宣が下りました。

 一日の刺激によって乱れた心をまとめるための儀式。遠く、またたく星を眺めるようにして。

(……神は……ラケシスのことを教えてはくれないかしら)

 そんな思いが忍び寄ってきて、淡い自嘲が浮かびます。
 都合がよすぎること。神の託宣は、個人的な願いなど叶えてくれない。

 星の声が聞こえなくなって久しいわたくしです。唯一の例外はスライムに襲われたあのときですが、あれこそまさに『神の気まぐれ』としか言いようがありません。

 託宣は常に一方通行――

 すがるなら、むしろクラリス様の占いのほうが適切でしょう。彼女は何と言っていたでしょうか――そう、

『思いがけない結果で終わる』

 いったいどんな結末を迎えるというのか。考えると、不安でのどに苦い味を感じます。

 わたくしは瞼を下ろし、星の輝きをひととき閉ざしました。

 代わりに思い浮かべるのはただ愛する妹の姿だけ。
 あの子の、無事な姿だけ。

 星の巫女たる者、個人的な思いを星の神に祈るのは、本来褒められたことではありません。でも――
 今は、それだけしか浮かばなくて。

(ラケシス……無事に帰ってきて)

 不意に、風がかすかに窓を揺らしました。
 わたくしは何気なく目を開け――そして、ヒッとのけぞりました。

 目に飛び込んできたのは、窓にべたりと貼り付いた手。

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