託宣が下りました。
「そうか。やつら俺には夏用の寝間着をよこしたぞ。『何とかは風邪を引かないと申しますし』とかぬかしおった――この時期に夏服を用意するほうが面倒だと思うんだが、そういうことには手間暇を惜しまんのだな」
見れば彼は厚手のコートを着て、前をしっかり閉めています。わたくしは少し意外に思いました。
「でも、たしかにあなたは冬に強そうです、騎士よ」
「その通り実は冬が一番好きだ。寒さの中にこそ行動の意味がある! それに」
おもむろに手がこちらへと伸び、気がつけばわたくしはすっぽりと彼の腕の中へ閉じ込められていました。
「こうして、巫女を抱きしめる口実にもなるしな」
「……さ、寒くなくてもこうするじゃないですか」
「ん。理由などなんでもいい」
こめかみに軽い口づけが落ちました。触れた部分がぽっと温かくなり、生半可な暖房よりよほど強いぬくみが生まれます。
それは緊張をほどき、安堵を生むような温かさ。つい浸りたくなって、わたくしはそっと息をつきました。
彼の体に、身を預けるようにして。
「……ウォルダートさんに怒られますよ」
「知ったことか。今あなたを一人にはできん」
「………」
大きな温かい手が、頬を包み込みます。
「冷たいな。早くベッドに入ったほうがいいぞ」
自分でも気づかないうちに、だいぶ冷えていたようです。わたくしは目をそらして、
「……祈りたいのです。ラケシスの無事を……一晩中でも」