託宣が下りました。

「心配はいらん。ここ(・・)も、あなたの場所だ、アルテナ」

 さらりと髪を撫でられた感触がしました。
 わたくしの背中にのしかかる見えない何かを、すべて流してしまおうとするかのように。

 たぶん――

 わたくしはこの夜、彼がこの部屋に忍んできてくれることを、心のどこかで望んでいたのでしょう。
 そして、たぶん。
 もしもこのとき、彼がわたくしをベッドに誘ったなら……あれほど嫌がるふりをしておきながらわたくしは、けっきょく拒まなかったような気がするのです。

(不安を埋めたかった。他の大きな何かで)

 けれど彼はそうしない。ただ、わたくしを抱きしめてくれて。
 わたくし一人には重すぎた不安を、真っ向から消そうとしてくれる。

「ラケシス殿のことは必ず解決する。必ず」

 他ならぬ彼がそう言ってくれた、そのことが、どれほど嬉しかったか――
 
 わたくしは静かに泣きました。
 心に積もった何もかもを洗い流すように、泣きました。
 彼の腕の中は、この世界で一番安心できる場所でした。満天の星の輝きよりも、ずっと。
 
 そうして、知らずのうちにその揺籃の中で眠りに落ち……

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