託宣が下りました。
「はい」
わたくしは腹の底に力をこめました。そう、うつむいている場合じゃない。
*
騎士の実家『羽根のない鳥』亭へは、騎士が馬車で送ってくれました。
「本当は一緒にいてやりたいんだが……すまんな、今日もまだ用事がある」
迎えには来るから――と言いながらわたくしの頬を指で撫でる彼に、わたくしはにっこりと笑って答えました。
「お気になさらず。ソラさんと一緒なら、何時間でもあっという間ですから」
「……確かにそうかもしれんな。お、そうそう」
騎士は急に思い出したようにぽんと手を打ち、
「今日は他の妹どももいるかもしれん。小うるさいと思うが、まあ仲良くしてやってくれ」
「―――」
思わず固まってしまいました。その可能性は考えていなかった……!
紹介だけしていくか、と騎士は立て付けの悪い戸を開けながら、大声で中に呼びかけました。
「誰かいるか!」
騎士の大音声はこの古びた家を壊してしまいそうです。わたくしがこっそり耳をふさぎながら待っていると、
「――うるさい、兄貴」
奥の戸から、のっそり出てくる人影がありました。