託宣が下りました。
痩せた女性でした。あまり背は高くありませんが、服装を見る限り活発そうです。
妙にすすけた服を着ていますが、騎士のご家族であるせいか、なんとなく意外ではありません。我ながら失礼な話ですが。
なぜかどことなくうつむき気味で、下からこちらをにらむような感じがあります。騎士の大声を嫌ってのことでしょうか。
「巫女。あれが俺のすぐ下の妹のモラだ」
騎士はわたくしを家の中に招き入れながら、そう説明しました。
モラさん……すぐ下の妹と言うことは、以前聞いたことのある、わたくしより年上の妹さんということです。
モラさんはじろりとした視線をこちらに向けました。口が不機嫌そうに曲がっています。
わたくしは気にしないようにして、まず挨拶をしました。
「初めまして、アルテナ・リリーフォンスと申します」
「………!」
とたんにモラさんの顔色が変わりました。大きく目を見張り、みるみる青くなっていきます。
「あ、アルテナ……まさか」
「まさかとは何だまさかとは。将来のお前の姉上だぞ、しっかり挨拶をしろモラ」
「………っ!」
声にならない悲鳴のようなものを感じました。
モラさんはたちまち階段の陰へと駆け込んで姿を消しました。
いえ、その陰からこっそりこちらをうかがっているのだけは分かります。わたくしはどうしたらいいのか分からず、騎士とモラさん(の隠れている場所)を見比べました。
「あのう……」