託宣が下りました。

 モラさんの手を取って、ゆっくり階段を上がっていきます。

「……ねえ……」
「はい」
「……本当に、兄貴と結婚するの」

 真っ先にその話題ですか。いえでも、妹さんたちにしてみれば一番気になる話かもしれませんね。
 わたくしは迷いました。どう答えたものか……

「……まだ、決めてはいませんが」
「ほんとにうちの家族になるの。うち問題しかない一家だよ。覚悟はある?」
「………」

 そう言えば“クラッシャー一家”と呼ばれていると、騎士が言っていましたっけ……
 それを考えると詰まってしまうわたくしですが。

 階段は半ば。一歩前を行くモラさんの足取りは、ぎこちなくもわたくしに合わせた丁寧なもので、彼女の親切さを思わせます。

 そろそろと後ろのわたくしをうかがう目、重ねた手にどれだけの力を入れるかで迷っているような手つき。何もかも。

「モラさんは素敵な方じゃありませんか」

 わたくしは笑顔で答えました。本当にそう思ったのです。
 けれど、モラさんはいっそう暗い顔をしました。

「……私はこの家では相当マシなほうだから、期待しないで」
「………」

 一番下のソラさんのことは知っているつもりですが……他の妹さんはいったいどんな方たちなのでしょう。彼女の言葉が空恐ろしい。

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