託宣が下りました。

 二階の一番手前がソラさんのお部屋――。
 モラさんはノックをすると、返事を待たずにドアを開けました。

「うふふ」
「うふふ」

 鈴の音のようなコロコロとした笑い声が聞こえました。とても似た音が、二重に重なって。

「はい、ソラちゃん。リリお手製のお薬よ、飲みましょうね」
「ミミ、違うわ。そっちはしびれ薬よ」
「あらごめんなさい。ミミったらうっかり」
「嘘おっしゃい、わざとやったでしょう?」
「うふふ。リリはごまかせないわね」

 それはそれは可愛らしい声で謎の会話を繰り広げる、十代半ばの女の子が二人――。

「ミミ、リリ」

 モラさんが呼びかけると、鈴の音のような笑い声がぴたりとやみ、二人同時に振り返りました。

(双子――)

 顔立ちどころか髪型服装、何から何までそっくりです。いったいどこに見分けるポイントがあるのでしょうか?

 まして初見のわたくしには『同じ人間が二人いる』としか思えない状態。何だか腹の底にしんとした恐怖を感じながら双子を見つめると、双子はわたくしを見て「うふふ」と同時に笑いました。

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