託宣が下りました。
笑いながらそう言う双子のほうがよほどわたくしの精神を追い詰めてくれますが、それにしても。
わたくしは振り切るように頭を振りました。
「……騎士の予定をちゃんと聞いてから考えます。わたくし一人で決めることではありませんから……」
モラさんは小さく嘆息しました。
「……そうだよね。ごめん」
私もちょっと動揺してる、と彼女は窓の外を見て、
「まさか兄貴に奥さんができる日が来るとは思わなかったからさ。現実味ないんだよね――兄貴はきっと一生独り身だと思ってたし」
窓から見える木の枝から、鳥が一羽飛び立っていきます。
「――兄貴は魔王討伐から帰ってきても何も変わってなかった。だからこれからも変わらないんだと思ってた。兄貴も、我が家も、ずっとこのままだと思ってた」
わたくしはモラさんの横顔を見つめました。
――騎士と結婚するのなら、それはこの姉妹にとっても大きな出来事。わたくしは彼女たちから大切なお兄さんを奪うことになる――
「なに感傷的になっているのモラ姉。あんな兄、ラッピングして送り出したいといつも言っているじゃない」
「そうそうタダでも貰い手なさそうだからどうしようって、いつも嘆いていたじゃない」
「うるさいミミリリ。それとこれとは話が別」