託宣が下りました。

 双子の軽やかな足はまっすぐに商店街へと向きました。
 マリアンヌさんの言っていた通り、今日はやや人が多いようです。気をつけて歩かなければすぐにぶつかってしまいそう。

「実験は楽しい。未知の塊」
「実験は歓び。無知をしらしめる」

 そんな雑踏の中を進む双子は誰にもぶつかる様子はありません。ふしぎな子たちです。
 そう言えば騎士の父も町にいるとか……。実験がどうのと騎士は言っていましたが、実際はどうなのでしょうか?

「ミミさんリリさん、あなたたちのお父様はどこにいるのかご存じですか?」
「知らない。お父さんはいつでも自由」
「知ってる。お父様はいつでもいたいところにいる」

 答えになっていません。

「お父様はそんなに実験がお好きなのですか? その……人を怪我させたりとか?」
「怪我をさせたら、治す。それがお父さん流」
「物を壊したら、そのまま。それがお父様流」

 何ですかその差は。

「お父さんは不器用、うふふ」
「実験が趣味なのに不器用ってサイアク、うふふ」
「でもお父さんは天才なの。だからミミたちも天才なのよ」
「天才は世の中に理解されないの。だからリリたちも世の中に理解されないのよ」

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