託宣が下りました。

「妹御のことは大変だったな。今しばらくのしんぼうだ――まあヴァイスならうまくやるだろう。真相を究明するまでスッポンのように食らいつくに決まっているから」
「騎士が動いてくれていることを、ご存じなのですか?」
「あいつは私のところにも文を投げてきたからな。『知っていることがあれば教えてくれ』と――まあ私の知っていることなど限られているが」
「………!」

 わたくしは勢いこみました。「では、何かご存じなのですね!?」

 教えてください――体ごとぶつかっていきそうなくらいの気迫で迫ると、お父上はにやりと笑いました。

「教えてもいいが、代わりに私の実験体になるかね?」
「………」

 ……問題児揃い兄妹をつくった張本人はこの人だということを忘れておりました……


 ミミリリ姉妹の買い物を済ませると、

「いいものを見せよう。ついておいで」

 お父上のお誘いでわたくしたちは王都中央にある広場へ向かうことになりました。

(いいもの……?)

 王都の中央広場ならばわたくしもよく知っています。修道院に近いので、しばしば足を向けたことがあるのです。豊かな緑に囲まれ、噴水のしぶきの心地よい、清々しい広場です。とは言えそれ以外に特筆するようなものはなかった気がするのですが……

 けれどその思いは、広場の敷地に一歩踏み込んだ瞬間覆されました。

「魔王復活の託宣が下ってからな。王宮が作ったんだ」

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