託宣が下りました。
「控えぃ!」
ふいに広場を高声が裂き、集っていた町の人々がはっと動きを止めました。
お父上が目をすがめて広場の入り口を見やりました。双子がお互いの手を握り、「まあ」と声を上げます。
わたくしは目を丸くして新たな来訪者を見つめました。
数人の兵士に囲まれ――
騎乗した女性が、悠然と広場に入ってきます。
一目で身分の高さの知れる綺羅。ズボン姿ながら、馬上には不釣り合いなほど着飾っていますが、おそらく早く駆ける気がないのでしょう。
豊かな金髪を高く結い上げ、とりどりの髪飾りで飾っています。あれだけ飾りが多いと顔を動かすのも面倒なのではないかと思うのですが――
腰には細身の剣を下げています。けれど剣を振るうにはその方は細腕すぎました。
たぶん、それさえも飾りなのです。
「エリシャヴェーラ王女殿下の御前である。控えぃ!」
兵士の声が、またたく間に広場の人々を緊張で縫いつけていきます。
やがて幾分かの人々は広場をそそくさと出て行き、残りの人々はそれぞれに端のほうへと身を寄せ、嵐が過ぎ去るのを待つように、突如中心人物となった人を注視しました。
姫君。――第一王女エリシャヴェーラ様。