託宣が下りました。

 せめて――
 同じ目の高さでいられないのなら、せめて。

 ――同じ想いを抱く者だと知ってほしかった。

「なんですって」

 剣呑な響きが、姫の声にとげを生みました。

「お前、何なの。たかが平民の分際で、英雄ヴァイスにつりあうと思って?」

 そんな馬鹿なことを言うのは二人目よ――エリシャヴェーラ様は吐き捨てるように言いました。

「あの、くだらない託宣を下した巫女と同じ! ヴァイスの華々しさを知っているの。そのみすぼらしい姿を自分で見たことはあるの。不相応にもほどがあってよ!」
「――身分も立場も関係ありません。わたくしは個人として彼を愛しました。姫だって、『王女だから』彼を好きになったわけではないのでしょう?」
「………」

 再び、爪を噛む仕草。視線だけで呪われてしまいそうなほど、姫の威圧感はすさまじいものでした。

 けれどそれは、姫がたしかにわたくしを見ているからで――

 姫の怒号が飛びました。広場を囲む民草の視線など、まるで意に介さずに。

「平民風情が、私と分を競おうというの。思い上がらないことね、お前になど最初からその資格もない!」

 姫様の猛烈な怒気を、

「ところが、そうでもないんですなあ……姫」

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