託宣が下りました。

「……シュ、シュヴァルツ殿下がすべてお話しになりました。ここにいる非常識な騎士が殿下のお部屋に怒鳴り込みまして。ええ、はあ、ですが殿下のほうも、今回ばかりは立ち上がるつもりだったとおっしゃられておりまして――はあ」
「……お兄様が、何を話したと言うの?」
「ラケシス・リリーフォンスの無実を」

 わたくしは胸の前で両手を組み合わせました。今の言葉は――

 そしてエヴァレット卿は息も絶え絶えに、とんでもないことを口にしたのです。

「殿下は、ラケシス・リリーフォンスとのご結婚を宣言なされました。い、今、王宮はひっくり返るような騒ぎです。はあ」

 ……は?

「―――」

 ぽかんと口が開いてしまいました。何でしょう、今、『結婚』と聞こえたような……?

 いえ、聞き間違いですきっと。そんなはずはありません。

 そう思ったのはわたくしだけではなかったのでしょう。姫はもちろん、姫付きの兵士たちまであんぐり口を開けています。冷静そうなアルベルト老までも。

 やがて姫様がこほんと咳払いをして、

「……エヴァレット、(わたくし)少し耳の調子が悪いようね。もう一度言ってちょうだい」
「ですから、シュヴァルツ様はラケシス・リリーフォンスと恋仲だと告げられまして、ええ、はい。正式に王室に迎え入れるつもりだと、陛下の前で申されまして――」
「な」

 ……聞き間違いでは、なかったようです。

「ちょっと待ってください」

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