託宣が下りました。
「シュヴァルツ殿下は本気だ。そこは信じてやってくれないかね」
「――お父上は、ご存じだったのですね」
「私は昔殿下の教育係の一人だった。その縁で、今でも文のやりとりをしていてねえ」
「で、その親父殿の助言で俺はシュヴァルツ殿下を直接落とすことにしたわけだな」
騎士はわたくしの肩を抱いて言いました。「たしかに一番てっとり早かった。殿下が大人しく出てきてくれて助かった」
もう大丈夫だ――と、わたくしの耳元で囁きます。
嬉しい言葉でしたが……なぜか安心できません。
だって、こんなとんでもないこと。わたくしの中にある妹像が崩れ落ちそうなほどの衝撃なのです。ひたすら混乱するしかないではないですか。
「ヴァイス! 何をそんな女に親しげに……っ!」
姫様が烈火のごとく馬上で憤りをあらわにします。
騎士は、やれやれといった風情でようやく姫に視線を投げました。
「……少しは王女としての役目に邁進してくれるかと思えば」
「邁進しているわ、お前の言う通り! こうして銅像も建てたし、アレクサンドルの話もちゃんと聞こうとしているじゃない!」
何がいけないの!――叫ぶ姫様を、哀れむように見て。