託宣が下りました。
「それが分からんうちは、俺が巫女を選んだ理由も永遠に分からんだろうよ。分かってほしくもないがな」
騎士はわたくしから手を放しませんでした。あくまでも、わたくしに寄り添ったまま。
わたくしは――そっと、彼の体を押し離しました。
「巫女?」
彼がふしぎそうに呼びます。そんな彼に、首を振ってみせて。
「駄目です……姫様をおとしめるような真似は……」
……我ながらかわいくない言動だと思います。
嬉しくなかった、わけがない。
そう、嬉しいのです。騎士が、はっきりと自分を選んでくれたことが。
それでもこれはよくないと思いました。姫様の目の前で――これは。
姫様が騎士を好いている、それは間違いなく本当だと思うのです。そうである以上、その気持ちをおとしめたくはないと。
姫様と対等になりたかった。だからこそ。
騎士はまぶしそうに目を細めてわたくしを見ました。
「分かった、すまん」
あっさりとわたくしから手を放し、にっこりと笑います。
「だから、俺はあなたがいいんだがな。アルテナ」