託宣が下りました。
アレクサンドル様にも顔を向けると、「いやいや」と騎士のお父上はにやりと笑いました。
「君の反応が真正直すぎて面白かったよ。まさか真っ正面から姫とやり合おうとするとはねえ。面白かった」
「観察していたのでしょうお父さん、うふふ」
「本当はもっと眺めていたかったのでしょうお父様、うふふ」
「うむ。まこと貴重な時間だった」
……わたくしの愚にもつかない姫への態度を笑ってくれるのは、この世でこの家族だけなのかも。そう思うと、そばにいたのが彼らで良かったと心から思います。
「えー……。こほん」
わざとらしい咳払いが聞こえました。
ふっと顔を向けると、そこにはエヴァレット卿が落ちつかなげに立っていました。
てっきり姫についていったものとばかり――。わたくしは慌てて騎士から離れ、「すみません、卿」と謝りました。
「ふん。まったく、どいつもこいつも」
姫がいないところでは態度が尊大になるようです。エヴァレット卿はじろりとわたくしをにらみ、えへんともう一度大きく咳払いをしました。
「儂はちゃんと修道院の上層部へ話をしにいった。これでよいのだな、ヴァイス?」