託宣が下りました。
「あ……すみません。何のお話でしたか?」
慌てて謝ると、「いや」と騎士はしげしげとわたくしを見、
「疲れているんじゃないか? 王城は緊張しただろう」
「カイ様がいらっしゃったのでそんなことは……あ、そう言えば」
唐突に思い出しました。わたくしはカイ様に馬車の中で聞かれたことを、騎士にも話してみました。
「ヨーハン様とお会いになりませんでしたか? カイ様がさがしていらっしゃるんです」
途端に騎士は、苦虫をかみつぶしたような顔になりました。
「……会ってない。カイもクラリスも、ヨーハンの力が必要だとか言うんだがな」
ふんと不機嫌に鼻を鳴らし、食卓に頬杖をつきます。
「……あなたも会いたいのか? あの気弱でうかつ者のヨーハンに」
「ヴァイス様」
わたくしは眉をつり上げました。「いけませんよ、元のお仲間をそのようにおっしゃっては」
「だがあいつが馬鹿なのは本当のことだ」
「人にはいつだって失敗がつきものです! そのような言い方は断じて容認できません!」
「………」
騎士がむっつりとます。横を向き、「なぜそんなにヨーハンに入れ込んでいるんだ」とぼそぼそとした声。
「入れ込んで――いるわけでは」