託宣が下りました。
魔物に取り憑かれたのだと判断したのは、アンナ様の知己の魔術師様でした。おそらく間違いではありません。
わたくしも眠るシェーラを見ました。顔色は白く、本当にただ眠っているだけのようで、けれど――その両手両足が真っ黒に黒ずんでいました。
黒ずんでいる部分に触ると、石のように固かったのです。まるでシェーラの体が石化していっているかのように。
それは、ラケシスの手紙にあったエリシャヴェーラ様の症状と同じでした。
その日のシェーラの行動を調べてみたところ、外出したのはたしかのようです。シェーラには、護衛という名の王宮からの監視がついています。
その監視人たちが、はっきり見ていたのです。
シェーラがいかにもスラム街に住んでいそうな、みすぼらしい姿の男と話していたところを。
そして、その男と離れたころ――突然倒れ、そのまま昏睡してしまったと。
監視人の一人はすかさずそのみすぼらしい男を追ったそうです。ですが、男はどこの道を見ても見つからず、煙のように消えてしまったとか。
ひょっとしたらあれこそが魔物憑きの人間だったのかもしれない――と、監視人は言いました。
魔物憑きが魔物憑きを増やしているのかもしれないと。