託宣が下りました。

 それは炎を生み、わたくしたちを襲おうとしたコウモリのような生き物をすべて焼き払いました。

「小さな魔物が多いんです~。気をつけてくださいねえ」

 ヨーハン様が剣を抜きはなちながらそう言います。

「アルテナ様はひたすら逃げてくださればいいので~」
「僕が守ります! 任せてください」

 ああカイ様が何と頼もしく見えることか。いえもちろんヨーハン様も信用しておりますから勘違いしないでくださいね!?

 ヨーハン様の言葉通り、洞窟の中には小型の魔物が山ほどおりました。
 情け容赦なく襲い来るそれらをヨーハン様が斬り払い、カイ様が洞窟に影響を与えない程度の術で焼き払います。術が使われるたび一瞬暑くなる洞窟。じっとり汗をかくほどです。

「聖水がある場所なのに、なぜこんなにも魔物が?」

 二人の陰でこそこそしながら(だって仕方がないじゃないですか!)わたくしは尋ねました。

「むしろ聖水が()()()()……ですかねえ」
「え?」
「魔物たちにとって、危険なものであると同時に、心惹かれるものでもあるんです。聖水は……神の力ですから」
「それはどういう――?」

 ヨーハン様は淡く微笑しながら、「進みながら話しましょう」と山の奥へ顔を向けました。

 途中、大ネズミが大量に発生して、カイ様が「ひっ!」と声を上げました。
 それは小型のイノシシほどのサイズのあるネズミでした。……それをネズミと呼んでいいのかどうかはともかくとして。

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