託宣が下りました。
「カイ! 大丈夫ですか」
立ち上がれないカイ様に、ヨーハン様が慌てて応急処置をほどこします。
わたくしもようやく彼らの元へと近づくことができました。
「ご、ごめんなさい……」
カイ様はしょげかえっていました。「ネズミは……ネズミだけは……」
「動物の中でも一番嫌いなのですか?」
それは初耳でした。動物ならば一律で嫌いなのだと思っていたのですが。
「……ソラちゃんに会うといつもネズミをけしかけられる。初めて会ったころからずっとそれを繰り返してきたんです……」
「………」
やっぱり原因はソラさんですか。騎士の実家に行くことがあれば、一度叱っておいたほうがよさそうです。
「大丈夫ですよカイ様。ここにはヨーハン様もいます。一人で戦わなくていいのです」
「聖水もしっかり確保してありますよー」
ヨーハン様が道具袋をふりふり陽気に言います。
カイ様は噛まれた腕をさすりながら、うなだれました。
「はい……任せてと言ったのにすみません」
責任感の強い彼らしい態度でした。
わたくしは何だかかわいく思えて、カイ様を抱きしめ背中を撫でました。
「アアアアルテナ様っ!?」
「落ち着いてくださいね、大丈夫ですからね」