託宣が下りました。

 ヨーハン様の松明の火がなくなり、辺りが少し暗くなります。

「おねえさん、お先へどうぞ」
「え、ええ」

 この狭い口の向こうには何が待っているのか――

 不安でたまりませんでした。けれど、勇気を奮い立たせました。

 こんなもの、魔物を宿らせたことに比べれば何てこともありません。

 修道服を着てこなくて良かった。そんなつまらないことを思いながら、背を低くして中へ入ります。

 そして――

 向こう側に着いたとたん、射し込んできたまぶしい光に、わたくしは思わず目を細めました。


 そこは、天の開いた場所でした。
 丸くくりぬかれた空が見えます。無数の星が、わたくしたちを見下ろしています。
 そして幾条もの月光が――
 その下にある泉に、差し込んでいました。

 光が差した水面に、星がゆらゆらと浮かぶ。
 月光と戯れて、星がちらちらと輝く。ああ――

 わたくしは今まで生きてきて、これ以上に神秘的な場所を見たことがありません。
 
「ヨーハン様、ここは……」

 問う声も、思わずひそめてしまう。そんな場所でした。

 ヨーハン様は「普通に声を出しても大丈夫ですよ~」と笑ってから、

「ここが、本来の『(みそ)ぎの間』です。――星の巫女が、星の神を宿すための契約の場所」

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