託宣が下りました。

 星の巫女が、星の神を宿す――?

「ど、どういう意味ですか、ヨーハンさん」

 カイ様の声には動揺が入り交じっているようでした。
 けれど返すヨーハン様の声はのんきなまま。

「そのままの意味です~。むかーし昔は、選ばれた『星の巫女』はここに来て禊ぎの儀式を行いました~。そして――神に選ばれた巫女は、その身に神を『降ろす』ことができた。御声を……聞くだけではなく」

 『巫女』とは、神を宿す者のことを言うのです、とヨーハン様は言いました。

 わたくしは唖然として口もきけませんでした。
 巫女に……そんな役割があったなんて。

「元はそうすることで、国を浄化する意味があったようですね」

 ヨーハン様は難しい顔であごにゆびを当てました。

「神を宿した巫女はしばしの間生き神として生きたようです。空にしかいない神と実際に奇跡を起こせる目の前の生き神と……どちらがより国をまとめるかは、想像がつくでしょう?」

 そうすることで――
 国は、まとまりを保った。生き神様を……象徴とすることで。

 そうすれば、たとえ国内が荒れていても元に戻ったという。内紛直前という空気さえ、解きほぐされたという。
 他ならぬ本物の神に、(さと)されてしまうから。
 神に――勝てるはずがないから。
< 469 / 485 >

この作品をシェア

pagetop