託宣が下りました。
ヨーハン様は即答しました。
「そのような事実があったことを知れば、いずれまた神降ろしを始める者が出る。修道院はそれを恐れたのです。何しろ、神降ろしにはもうひとつの危険がありましたから~」
「もうひとつの危険……?」
「――魔物を生み出すこと」
魔物学は日々発展しているのですよと、ヨーハン様はどこか苦しげに言いました。
「我々が魔物と呼んでいるものが……石に宿った、星の神々のかけらだということも、分かっているのです」
――そんな、ことが。
あまりにも衝撃的な話でした。
魔物が――魔物が、星の神々のかけらだなんて。
「まあ、言ってみれば星の神々にとってのゴミのような部分です。それが、空から落ちてきて石に宿って……魔物になる。その魔物が成長して、僕ら人間を害するようになる」
神と魔物は表裏一体なのだと。
ヨーハン様は、そう言うのです。
わたくしはその場にぺたりと座り込みました。
岩場は冷たく濡れていました。
「……僕やあなたに憑依した魔物は、元はと言えば星の神……だとも言えますね」
「…………」
「この山の聖水は、魔物が生まれることに責任を感じた神が国に与えた『力』だそうです。それからこの国に魔物が多いのは、他ならない星の神の力が一番多い国だからです。魔物が好む石とはすなわち、星の神のことなんです」