託宣が下りました。
「ですが、聞こえましたよね? あのとき。僕らが巨大スライムに襲われていたとき」
「……あ、あれは、何かの気まぐれで――」
「星の神の行うことに〝気まぐれ〟はありえません。あなたは星の神に非常に気に入られている。星の巫女に上がる期間が早かったのも、そもそも託宣に自分の名前が出たのも、すべては星の神に気に入られているからに他なりません」
「でも! 託宣が取り消されて実家に帰ってからは、何度祈っても神の声は聞こえなかった――」
「それは〝必要がなかった〟からです。神は必要のないときにまでその手を動かしません。神は全ての人間をお守りくださるわけではない。あくまで人間の営みの中で生きろと、そうお考えなのです――少なくとも、昔の教義にはそう書かれていました。それでも国が滅びぬために、そしてどんなときでも神を信じる健気な者のために、時に手をお貸しくださる……神とはそういうものなのです」
「―――」
修道女のわたくしも知らないことを、ヨーハン様はすらすらお話になる。
修道院が忘れていたものを……隠してきたことをも……彼は調べ切ったのでしょうか。
わたくしはうなだれました。
「――でも。わたくしは魔物に憑かれてしまいました。もうこの身は、穢れている――」