託宣が下りました。

 わたくしは視線を落としました。
 そして、ただ、考えました。

 神を宿すことの意味。
 命を落とすかもしれないことの意味。

 そして――
 
 なぜ、神を降ろしたいのか。

 騎士のことを思いました。シェーラのことを思いました。
 町で苦しんでいるという人々のことを思いました。
 
 ――迷いと不安がだんだんと、霧消していくのが分かりました。
 導き出された答え。満ちていく決心。
 自分でもふしぎなほど自然に……わたくしはこのことを、受け容れることができる。

「ヨーハン様。具体的には、わたくしはどうしたらよいのでしょうか」
「おねえさん!」

 カイ様が悲痛な声を上げました。

 ごめんなさい、心配してくれているのは分かっているのです。
 でも……

 これはわたくしに課せられた『役割』。

「祈ればいいのです。いつも通りに。それで、神には届きます。ここでなら」
「ここで、祈りを――」

 空を見上げました。

 気のせいか、星の数が増えているように感じました。筋状の光となって降る月光と星の光の神々しさは、目がくらくらするほどまばゆく、酔いそうなほどに深い。

「あの光の中に入って。どうか、祈ってください」
「―――」

 わたくしはすっと立ち上がりました。

「おねえさん……」

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