託宣が下りました。
「早く元気になってね。また会おうね!」

 シェーラはわたくしを咎めませんでした。空中で行き場をなくした手を上げて、わたくしに向かって振ってみせます。

「ええ、必ず」
「何かあったら呼ぶのよ、今度は私が助けにいくから――」
「………」

 もう、声が出ませんでした。

 喉から出かかった言葉を涙と一緒に呑み込んで、わたくしはただ、強くうなずきました。

 ――帰ってこなくては。必ずこの場所へ。


「巫女ーーーー!」


 突然聞こえた大声に――

 わたくしは立ちすくみました。シェーラが「きゃあ」と歓声を上げ、レイリアさんが片眉を上げ……そしてラケシスが、はっと振り向き、呆然とつぶやきました。

「まさか……ヴァイス様!?」
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