幸せの探し方
「“今”は、ですか…?」

まるで昔は結婚していたみたいな言い方だ。

そう思っていたら、
「バツイチです、5年前に離婚しました」

高天原さんは答えた。

「バツイチ…」

「余計なことを言ってしまいましたね。

バツイチも対象外ですよね?」

「いえ…」

申し訳なさそうに言った高天原さんに、わたしは首を横に振って返事をした。

「驚いたと言うか、意外だったと言うか…えっと、おじさんとかバツイチとか、そう言うのは気にしないので、はい…」

ダメだ、言いたいことがうまく言えない…。

「ホントですか?」

高天原さんは喜んでいるようだった。

「は、はい…」

返事をしたわたしに、高天原さんは笑った。
< 31 / 100 >

この作品をシェア

pagetop