チューリップ~君に贈る花~

男はみんなが歩いていく方向とは違い、左に向かって歩いていく。


その方向に歩いていく人がいなかったから、てっきり道は前方だけにあって、左右は壁かなんかで囲まれているのかと思っていたが、どうやら左右に壁らしきものはないらしい。


男に続いて、グレーのもやに向かって歩いていく。


男の後を追っていくうちに、さっきまで前方に見えていた白い光が見えなくなり、あたりは再び真っ黒な暗闇に変わっていった。


しばらくそんな中を歩いていた。


振り返ってみると、さっきまで歩いていた人の群れははるか後方にかすかに見えるくらいになっていた。



…どこまで行くんだよ。


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