一番好きなのは、キミだから
「え? なんで真宙くんが謝るの?」
七星ちゃんが首を傾け、キョトンとする。
「あ、いや俺が、何か七星ちゃんの気に障ることをしたのかなって……。肩も叩いたし?」
「あーっ。七星ったら、また小説を読んで泣いたの?」
「あっ、みっちゃん。えへへ、そうなんだ」
小説、を読んで……?
俺は、目をパチパチと何度も瞬きする。
七星ちゃんの席へとやって来た古賀ちゃんが、七星ちゃんにハンカチを渡している。
「ほら。澄野くん、びっくりしてるじゃない。七星は小説を読んで感動して、よく泣くから」
「いやー、登場人物につい感情移入してしまって。なんかごめんね? 真宙くん」